早稲田大学と明治大学による対抗戦は1923年に始まりました。「雪の早明戦」として有名な1987年の対決は第73回目の早明戦でした。場所は国立競技場で行われ、観客は約62,000人と当時の大学ラグビー絶頂期を迎えて満員だったようです。

前日からの積雪に加えて、背中から湯気が立つシーンにも象徴される死闘が、後世に語り継がれる伝説の試合となりました。結果は、早稲田10-7明治で、早大の勝利で終わった試合ですが、特に試合終了間際に8分近くにも及ぶロスタイムが印象に残る試合でした。

早稲田ゴール前で攻める明治は、ペナルティをもらっても、何度も何度も得意のFW戦で攻め続けます。明治の北島監督の教えである「前へ」を具現化したその攻撃が胸を打ちます。

一方早稲田は必死のタックルでゴールを死守。両校選手の体から湯気が上がるシーンは、何度もテレビで放送されて覚えている人も多いと思います。

実際には、この試合の前までに筑波大学に敗れていた明治は、引き分けでは優勝できなかったため、同点どまりのPGは狙わず、当時4点だったトライをひたすら狙って攻撃を続けました。

ナンバー8の大西主将を中心に「前へ」突進する明治大学。それに対してフランカー神田を中心に低いタックルを連発してゴールラインを死守する早稲田大学。

この試合では、後の日本代表で活躍する選手が多数出場しています。なかでも両校の黄金ルーキーは、誰でも知っている選手ばかりです。早稲田のSH堀越正巳、WTB今泉清、明治のWTB吉田義人が1年生で出場を果たしています。



先発選手
【早稲田大学】選手名(出身高校)学年
1 永田(筑紫)4年生
2 森島(日川)2年生
3 頓所(巻)4年生
4 弘田(早実)4年生
5 篠原(筑紫)3年生
6 神田(福岡)4年生
7 清田(神戸)3年生
8 清宮(茨田)2年生
9 堀越(熊谷工)1年生
10 前田(修猷館)2年生
11 今泉(大分舞鶴)1年生
12 今駒(生田)4年生
13 中島(早実)4年生
14 桑島(石神井)4年生
15 加藤(久我山)4年生
【明治大学】選手名(出身高校)学年
1 佐藤(秋田市立)3年生
2 岡本(大工大)3年生
3 須之内(松山聖陵)3年生
4 飛弾(大分水産)2年生
5 蜂谷(下伊那農)2年生
6 土井(報徳学園)4年生
7 尾上(久我山)3年生
8 大西(大工大)4年生
9 安東(秋田工)3年生
10 加藤(熊谷工)2年生
11 吉田(秋田工)1年生
12 川上(武豊)4年生
13 上井(大工大)4年生
14 竹ノ内(報徳学園)2年生
15 高岩(作新学院)2年生